トラブル? 自分の土地に他人の排水管!?

公開日:2022年03月25日

325コラム画像

購入した自分の土地に、他人の排水管が通っていたことでトラブルが起きることがあります。

今回は、土地購入時に気をつけたい排水管トラブルについて解説していきます。

□土地を購入した際によくある排水管トラブル

「そもそも排水管トラブルなんて起きるの?」と思われる人もいますよね。

整備された都市部の平地では区画もしっかりしていることから、まず起こりません。

ただ、丘陵地のように高低差がある土地や、袋地(他人の土地に囲まれており公の道路に出られない土地のこと)では、このようなトラブルがよく発生します。

家庭からでる汚水は、自治体の管理する下水道本管まで通さなければいけません。

下水道本管が購入した土地よりも高い位地にあれば、低い下水道本管まで長い距離の排水管をつなぎます。

また袋地は、周囲に公共道路がないため下水道本管までが遠く、長い距離の排水管が必要です。

上記の場合では、排水管が所有していない他人の敷地を通過するケースが多々あります。

□他人の敷地に下水管を通すのって違法じゃないの?

上に書いたようなケースがあるとはいえ、「他人の敷地に下水管を通していいの?」と不思議に思いますよね。

その回答はというと、民法では条件付きで通しても良いとされているのです。

低地の場合は、所有者の損害も最も少ない方法を選ぶことで、排水管を通しても良い(余水排池権)と定められています。

また袋地の場合も下水道法により、下水道本管までの接続が困難であるときは他人の土地を利用しても良いとされています。

 

排水管は「立地上仕方ない場合においては迷惑をかけない方法」で、他人の土地を通しても良いのですが、それが原因で次のようなトラブルが発生します。

<よくあるトラブル例>

・購入した自分の土地に隣人の排水管が通っており希望の建築が行えない

・購入した自分の土地に隣人の既設排水管が設置してあったので接続をしたら、排水管が詰まりやすくなりトラブルになった

・他人の土地を通る排水管が詰まったので工事したいと申し出たが断れた

 

お互いの意見を尊重し合えられれば良いのですが、お願いをする側される側のどちらにも都合や言い分があり、排水管トラブルが生じると解決が大変です。

大袈裟に感じるかもしれませんが、裁判になる事例も少なくありません。

□トラブルを起こさないために

自分の土地にある他人の排水管。

自身が許可をしていなくても、前の所有者から承諾書や同意書をとっている場合もあります。

そもそもが違法では無いため、完全にトラブルを回避する方法を探すのは大変難しいでしょう。

また、自分の土地に他人の排水管がある場合だけでなく、他人の土地に自分の排水管がある場合もあり、それら両方ともトラブルを引き起こす可能性があります。

以上のことを踏まえると、土地購入の際は、とにかく事前に埋設の確認をしてから購入をすることをお勧めします。

多くの場合では、水道局の埋設状況図面などで判明し、売買契約時に重要事項説明書などで説明されます。

しかし、水道局の埋設状況図面が必ず正しいとも言えず、図面と異なる場合などは現況通りとされるので注意しましょう。

また、取り換え工事や引き直し工事は原則自己負担であり、長い距離の引込が必要になれば費用も高額になります。

さらに、新たに引込をする時などは自治体や水道業者によって水道加入金が必要となることもあります。

このような工事費用が発生するときは、売買契約の前に明らかにすることが大切です。

不動産無料査定・ご相談はこちらから

不動産無料査定サイドバー

その他ご質問は下記ページか、ご気軽にお問合せください

●不動産コラム一覧

 

 

●不動産売却について