行政代執行の費用が払えないとどうなるの?

公開日:2022年05月19日

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「空き家を相続しましたが、なかなか管理できない」

 

少子高齢化が進む日本では、こうした人々が増えています。

 

そんな中、2014年に空き家対策の推進に関する特別措置法(空き家法)が制定されました。

 

空き家が適切に管理されていない場合は、「特定の空き家」に指定され、最終的には行政代執行により強制的に解体されます。

 

空き家の所有者は、行政代執行の費用を負担しなければならないため、空き家を所有する者は、特定の空き家に指定されないように対策を講じる必要があります。

 

そこで今回は、空き家をお持ちの方、将来的に空き家をお持ちになる予定の方のために、空き家の管理義務や管理費の執行について説明します。

□行政代執行とは

行政代執行とは、行政が所有者に代わって適切な管理のための措置を講じることを意味します。

 

道路を横切る木の枝を切り、捨てられたゴミを取り除き、倒壊しそうな家を取り壊すことができます。

 

所有者が何度も改善要請に応じない場合、行政は強制的に敷地内に立ち入り、必要な措置を講じます。

 

ただし、これらを適切に管理することは、基本的に空き家の所有者の責任です。

 

行政代執行は緊急と判断された場合にのみ実施され、行政代執行の費用は所有者に請求されます。

□行政代執行の費用を払えない場合どうする?

空き家を取り壊すと高いコストが発生します。
 

費用を支払えない場合はどのようになってしまうのでしょうか?

 

*支払いが不可能な場合の財産の差し押さえ

 

所有者が解体料の支払いを拒否した場合、または全額を支払うことができない場合、所有者の財産は差し押さえられます。

 

差し押さえは、現金、預金、貯蓄、株式、不動産、自動車、貴金属など、所有者が所有するすべての資産に適用されます。

 

給与については、生活に支障をきたさない限り、手取りの4分の1まで差し押さえの対象となります

(※手取りが44万円を超える場合は、33万円を差し引いた額までが差し押さえの対象となります。)

 

*破産しても逃げられない

 

破産したとしても、行政代執行の費用は残ります。

 

行政代執行の費用については、滞納国税と同様に「強制徴収」が認められています。

 

これは、行政が裁判所の裁判なしに債務者から徴収できることを意味し、破産したとしてもその義務は残ります。

 

行政代執行の債務は、支払わないと消えないので避けられないことを理解することが重要です。

□解体にはいくらかかるのか

「空き家等の特別措置に関する法律」に基づき国土交通省が発表した行政処分による解体が2件あります。
 

解体工事費、建物の撤去費用として約1,040万円が発生したとのことです。

 

解体費用は、建物の規模や請負業者によって異なりますが、行政代執行の場合、所有者が請負業者を選択できないため、費用が高くなる可能性があります。
 

そのため、行政代執行の前に物件を売却するなどして対応することをお勧めします。

□まとめ

空き家でもきちんと管理できれば問題ありません。

 

しかし、建物は年々古くなっています。

 

いつまでも自分で管理することは難しくなる場合もあるため、将来使用する予定のない空き家は、古くなる前に売却する方が良いでしょう。

 

今回紹介したように、空き家の管理は所有者に課せられた義務です。

 

これを怠ると、固定資産税の免税がなくなるだけでなく、50万円以下の罰金が科せられ、最終的には行政代執行費用を支払うためにさまざまな資産が差し押さえられますので、早めの対応を心がけてください。

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